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映画「半落ち」~寺尾聰さんの演技 [映画]

「半落ち」の単行本を読んだのは7、8年前…。

その後TVで放映されたもの含めると3回目の鑑賞。

良い作品だと、しみじみと感じる。

 

横山秀夫氏の「半落ち」が直木賞問題で

物議を醸し出したのをぼんやりと記憶しているが、

本作に感動した一読者としては、

「え、そんなにこだわるほど重大な問題?」

てなもんだった。

 

直木賞を受賞しようが、しまいが、

横山さんの愛読者は多い。

だからこそ、映像化もされるのだろう。

主だったもので、「顔」、「クライマーズ・ハイ」、

最近では「臨場」などがある。

 

さて、映画「半落ち」では

寺尾聰さんと原田美枝子さんが

梶聡一郎と啓子演じている。

 

二人の姿に泣ける。

朴訥で美しい。

 

目を引くのは寺尾聰さんの演技の陰影だ。

何もやらない。何もしない。

体から滲み出る想いが伝わり、

梶聡一郎の心の奥底が透けて見えてくる。

人生を終えた深い悲しみが男の眼に宿っていた。

 

夫婦間の殺人事件を通して、

浮き彫りにされる尊厳死の問題。

その裏には社会問題でもある

アルツハイマー病、骨髄移植の問題が

隠されている。

 

尊厳死とは何か、

生き抜くとは何か、

我々に訴えかけてくる秀作だ。


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映画『NINE』~継ぎ目のない時~過去、現実、幻想 [映画]

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東急シネマで購入したパンフレット

 

ミュージカル映画の傑作がまたひとつ誕生した。

『NINE』!う~ん大人の映画。

 

あのフェデリコ・フェリーニ監督の映画「8½」を

ミュージカルにしたものが舞台の『NINE』。

日本でも何度か上演されているので

コアなファンがいるはずだ。

 

今回はさらにミュージカル映画にして、

新たな命を吹き込んだのがロブ・マーシャル監督。

つまり映画→舞台→映画と変遷している。

 

何といっても役者が凄い!

グイド役のダニエル・デイ・ルイスを始め、

ソフィア・ローレン、ジュディ・ディンチ、

ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、

マリオン・コティヤール…など

超一流の俳優達が顔を揃えている。

 

そして芝居だけではなく、歌い、踊り…、

その存在感はぞくぞくするほど凄い。

俳優の役どころ、見せ方を監督は知っている!

思わず客席で唸った。

 

死んだ母親と9歳の頃のグイドを登場させ、

現実と過去、そして幻想を巧みに織り込み、

苦悩するグイドの内面へとぐいぐいと引っ張っていく。

もう息つく暇がないほど魅了される。

その複雑な織り込み方にも拘わらず、

舞台では分かりずらかったストーリーが

より明解になった!さすがです!

 

数年前に天王洲のアートスフィアで上演された

デヴィッド・ルポー演出の舞台が印象深いが、

映画ほどの感動は起きなかった。

故・大浦みずきさんの気迫が舞台にみなぎり、

本当の意味での女優人生がこれから始まりそうな

予感がしていただけに、早逝が悔やまれる。

 

ロブ・マーシャルの映画監督としての

手腕は見事としか言いようがない。

舞台のエッセンスを取り入れて、

継ぎ目のないファンタジーの世界を

映画ならではの技法で完全に一体化した。

 

人物の構図が美しく、衣裳も映像もスタイリッシュ。

フェリーニやトミー・チューンに敬意を表しているのが

素直に嬉しい。

 

久しぶりのダニエル・デイ・ルイス。

若い頃は達者な俳優で、

怖いもの知らずの印象があった。

こうした器用な俳優が、

どう大成していくのか注目していたが、

ようやく本領発揮!

グイド演じるダニエルは等身大の中年男で、

余計な力みがない。 

だからこそ彼を取り巻く女性たちが光輝いて見える。

 

女優陣の美しさは半端ではない。

確かな演技力とスターならではの存在感が

それぞれの役を鮮烈に映し出す。

それを自然体で受け止めるダニエル・デイ・ルイス。

無理のない絡みが心地よく、

極上の仕上がりとなった。


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第七章 『アバター』~演技の原点③ [映画]

俳優の演技について。

パフォーマンス・キャプチャーという新しい技術で、

俳優たちの演技は撮影されている。

顔や体にマークや機械をつけ、

豊かな情感を込めて、

そこに全てがあるものとして演じる。

監督はCGと俳優の演技が合成された映像を見ながら、

的確に動きを指示していく。

 

CGと合体するのならアニメと一緒!と思うのだが、

生の人間の発する感情をエモーション・キャプチャーという

ヘッドセットのようなカメラがきちんと捉えているので、

あきらかにアニメとは違うものが出来上がる。

 

俳優はイメージし、演じる。単純に言えばそれだけ。

演技の原点」。

感じて、見なければ、その場にいる他の誰にも見えてこない。

これはまさに舞台と一緒。

お客様は俳優が信じているものを信じる。

俳優が見ているものを見る。

 

グレーバックの無味乾燥なお部屋で演じようが、

森林の中で演じようが、五感を開いて交流し、

演じなければ、観客はそこに真実味を感じない。

 

完成された映像は高度なVFX技術を駆使しているが、

原点は俳優の演技力。

だからこそ一流の作品となりうる。


タグ:夜物語
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第七章 『アバター』~監督のこだわり② [映画]

気がつけば3時間。時を忘れるほど見入った。

この豊かなクリエイター達をどこから引っ張って来たのか。

プログラムによると、脚本を映像化するために必要な

カメラ開発から始まり、映像美術を具現化するための

プロダクト・クリエイターたちを何年もかけて、

監督自らが探している。

そして自分で起こした絵をクリエイター達に見せながら、

「アバター」の世界を一つ一つ構築していったという。

だからこそ、思い描いた通りの創造物が完成したのだろう。

そのリアリティは半端ではない。脱帽。

 

深海の世界と密林を合体させた神秘的なイメージ。

SFの世界を描くのに、ある程度は思いつく結びつきだが、

そのCG映像の美しさは予想以上だった。

美術的デザイン、色合い、動植物の形、乗り物の面白さなど、

どれをとっても溜息がでる。

 

想像を絶するディスカッションと苦労があったに違いない。

その過程が映画の隅々から伝わり、見終わった瞬間に

思わず監督にお礼を言ってしまった。

久しぶりに味わう興奮。

ゴールデングローブ賞で作品、監督賞を受賞したのも頷ける。


タグ:夜物語
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第七章 『アバター』~人類の叡智を集めた映画① [映画]

「スターウォーズ」、「ジュラシックパーク」を経て

3D映画の「アバター」へと映像技術が格段に

発展した様を私達は見てきた。

アナログの眼鏡をかけなければならないという

違和感はあるものの、3D映画として認知されるに

ふさわしい出来栄え

 

劇場に足を運ぶまで、映画にも、3Dシステムにも

正直、期待していなかった。

何故なら、CG映画が話題になった時、

新しい技術を見せることで満足してしまい、

肝心のストーリーがおざなりになり

作品が死んでしまった映画をよく見かけたからだ。

 

きっと今度もふられるんだろうな~と、

タカをくくっていたのだが、

なんと!!「アバター」は違った。

素晴らしかった。感動して涙がこぼれた。

 

過去に何度も取り上げられているテーマとは言え、

コッポラ監督の「地獄の黙示録」を想起させる

戦争の愚かさと人類の愚行が余すところなく

描かれていた。

 

アフリカ、アメリカ、オーストラリア大陸を始め、

未知の島々、アジア各国で起きた暗黒の歴史。

殺戮の恐ろしさ。

人間の根底にある「征服欲」をSFの世界に置き換え、

キャメロン監督は見事に描き切った。

流石です。

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ワーナーマイカルで購入したプログラム


タグ:夜物語
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20世紀少年~トモダチ映画 [映画]

随分前に録画しておいた「20世紀少年」の「1」と「2」。

時間を忘れて立て続けに観てしまった。

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→購入したパンフレット。 贅沢な作り。これは「3」。

 

日本が誇るアニメ文化の延長線上にある映画…。

最近のテレビドラマもマンガを原作にしたものが多い。

売上部数を見ればヒットする作品を選べるし、

絵コンテも必要ない。

制作側はラクだし、確実にヒットを狙える。

安易と言えば安易だが、それだけマンガ原作者が

魅力的なストーリーを創作している。

豊かで自由な発想力。

複雑なストーリーをエンタテイメントにする力。

さすが世界に誇るマンガ文化。

そこには西洋文化に対するコンプレックスは

もはや微塵も感じられない。

そのうち日本映画は世界を席巻するかもしれない。

 

さて話は「20世紀少年」に戻るが、

続きが見たくて、映画館まで行ってしまった(苦笑)。

「1」~「3」まで細部を突けばアラはいっぱいある。

だがそんなことはどうでも良いとばかりに

電車道のように物語は進行する。

スピーディな展開とストーリーの複層性が

「20世紀少年」の魅力だろう。

 

そして、昭和生まれなら、心にググッとくるあの時代を

背景に、子供社会ならではの生々しい感覚が

全篇に刻み込まれている。

大人になるにつれ、夢から現実へと

突き落されていく心の葛藤と抵抗。

目指すべき道を見失い、マインドコントロールされる

人間の弱さと集団の醜さ。

娯楽映画だが、現代の病巣をちゃんとえぐりだしている。

映画の最後に流れるクレジットが消えても、

これでもか~と突きつけてくるメッセージが印象に残る

立派!

 


タグ:夜物語
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女性のための女性による映画~マンマ・ミーア! [映画]

090205_1712~0001.jpg港北シネマで購入したパンフレット(裏)

何と言っても、メリル・ストリープの圧倒的な演技力には脱帽した。

中年パワー炸裂の映画だ。彼女の新しい魅力にとりこになるだろう。

学生時代、「ディア・ハンター」「クレイマー、クレイマー」「フランス軍中尉の女」等の映画を立て続けに見て、メリル・ストリープの美しさ、深い洞察力、演技力にどれほどノックダウンされたことか…。

4人の子供を持つ59歳の女優になったとは…!ひょっとして還暦!?

エネルギッシュな肉体とパワフルな演技、歌に、もう脱帽した。立派!

。。。

過去の輝かしい出演作の中で、違和感を覚えるものもいくつかあったが、チャレンジ精神の強い人なのだろう、何でもやってしまう。

その貪欲さに驚いたこともあったが、メリルの聡明さは年相応に生き、演じる役に広がりを持っていくことに尽きるだろう。

今回はミュージカル。歌とダンス。

随分昔にクリストファー・ウォーケン同様、歌って踊れると耳にしていたが…本当だった。

。。。

歌が上手い俳優達でしっかりと固められている映画ではない。

演技力のある俳優たちが役の本質をとらえて、歌っている。

それが何とも言えない味わいを見せている。

表現力の乏しい俳優たちには素晴らしい教材だ。

。。。

映画「マンマ・ミーア」はリアルな役作りと、ミュージカルならではの高いテンションが必要とされる演出になっている。

ちょうど良いバランスで仕上がっているので、観た人たちは本当に元気をもらえる。

これがシリアスな部分が強すぎると、ミュージカルとしての娯楽性が薄れてしまい、すっ飛んで行けない。

舞台と同じ展開を崩さず、映画らしいカット割りで、より贅沢な作品にグレードアップした。

落ち込んでいる人もいない人もぜひご覧あれ!

年をとるのも悪くないと感じるだろう(笑)。

090205_1713~0001.jpgパンフレット(表)


タグ:夜物語
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崖の上のポニョ [映画]

080816_1300~0001.jpg 
港北シネマで購入したパンフレット

 

見てきました。ポニョ!

細部に至るまで宮崎さんのこだわりを感じた作品です。

人魚姫をモチーフに

ポニョの強烈なキャラクターが生き生きと描かれていて

文句なしに楽しめます。

。。。

環境問題や介護問題を

さりげなく取り上げていて

宮崎さんの奥底にある問題意識も感じました。

。。。

そうそう、ポニョを見ていたら

オホーツクの海に住むクリオネを思い出しました。

愛らしい姿のクリオネが

恐ろしい姿に変貌する姿をニュース番組で見た時は

相当たまげましたが、

ハムを食べている時のポニョは

それをちょっと連想させた。

。。。

宮崎さんの人間の洞察力と創造性に

いつもながら感服。

ただ結末は…あっけなく

その先がどうなるのか、もっと見たかった作品かな。


タグ:夜物語
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ナルニア カスピアンの角笛 [映画]

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ワーナー・マイカルで購入したパンフレット 

「ナルニア国物語-第2章 カスピアン王子の角笛」を観た。

1作目の「第1章 ライオンと魔女」は

「ハリー・ポッターと賢者の石」の時のような物足りない印象があった。

原作に忠実になりすぎたのかな…そんな感じ。

でも

2作目は素晴らしかった!! ポッターもナルニアも。

 

名作を映画化したり、舞台化する時は製作側が思い切った決断をしないと

血が通わなくなる時がある。

 

この日はクレジットが流れるまで

ナルニアに夢中だった。

今は

「ロード・オブ・ザ・リング」と同じくらい輝いている(眩)。

 

同時代に生きた

「ナルニア国ものがたり」のルイスと「指輪物語」のトールキン。

CGを駆使した映像で

このとてつもないファンタジーの世界を堪能できるとは

このうえない幸せ~。


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